2008年8月31日日曜日

金型整備

ダイカストの金型整備と言うのは、ダイカスト工場の肝心要(かんじんかなめ)の部分だと思っています。ダイカストの金型と言うのは、ピン1本に対しても寸法が入っており、金型本体も寸法の固まりの様な物です。その寸法も1㎜と言う公差から0.05㎜の寸法公差が入っている物もあります。
この寸法公差を金型の償却が終わるまで守って行かなくてはならない部署でも有ります。
寸法だけでは無く、金型のクラックの対処、バリ対処、冷却詰まり、など様々な事を処理しなくてはならない所です。金型整備が不十分で有ると、ダイカスト出来ない事になります。
その仕事内容は重く、ダイカスト工場が金型整備中心で動く様な物だと考えています。
やはりその部署には、ダイカストの知識、金型知識を持つ人がトップに立ち金型整備を進める事が望ましいが、なかなか今の時代にその様な人はいませんね!

2008年8月23日土曜日

水溶性離型剤の少量塗布

私が扱っているスプレーシステムは、毎ショットごとの離型剤流量を監視して、上限値、下限値を設定しその値から外れた時に、スプレー装置もしくは、ダイカストマシン、取り出しロボットに何らかのアクションをやらせる事が出来るシステムで有り、離型剤流量の再現が手軽に出来る事です。
流量の再現と言うと、簡単に言えば、肉厚の薄い製品は、極力少量で塗布し、肉厚の厚い製品は量を多めに出す。厚い製品から薄い製品に型替えしても、以前の流量を手軽に再現出来る事です。
まー各製品ごとに流量を手軽に設定出来る事になります。
機械の汚れ、工場の汚れに関心が有るメーカーは、「少量塗布」と言う方向に行きますが、この「少量塗布」も得意な分野です。
しかし、水溶性離型剤の少量塗布を行う事も、油性離型剤を使用して鋳造を行う事と同じで、離型剤による「外冷」を金型冷却での「内冷」の方向に行かなくては出来ない事です。
「内冷」を強化しても、金型に通す冷却水の成分が悪さをして金型冷却回路に動脈硬化現象が出てきて、生産ロットを重ねるごとに離型剤塗布量が増えて来ます。(流量を測定していると良く解る)
結局は、簡単に少量塗布が出来る訳では無く、水から変えて行き、冷却水流量も安定した形にしていかないと少量吹きが安定して出来ない事になります。
私も、離型剤流量を測定出来るスプレーシステム、手軽に流量を変更出来るシステムが無かったら、水質で有り、水の流量変化の事まで解らなかったでしょう!
まずは、スプレーシステムから変えて頂く事を提案します。
色々な問題点が浮き彫りになって来ます。

2008年8月17日日曜日

机上の計算

流動解析の話しで、「机上でどこまでやれるか?」の話しをしましたが、
机上で計算した数字をダイカストマシンの条件にそのまま当てはめる事は、
現実無理が出てきます。
1.ダイカストマシンのダイプレートの精度
2.トグルピンの摩耗
3.プランジャースリーブ、チップの摩擦
4.エアーベントからのガスの抜け量
5.金型温度分布
机上での計算数字を中心にして、高い、低い、前、後ろにマシン条件を調整していくのが良いかと考えます。
その調整をした数字を流動解析などに入力して行くと次回からは、より現実的な数字になってくるかも知れません。

ダイカストの理想!

前回、流動解析の話しを書きましたが、使いこなせば相当な現実性が有ることは、解りました。
しかし、解析条件の入力がなかなかやっかい(慣れだとは?思うが)
湯流れをパソコン上で行った時の判断(これで良い)が、熟練者が行わないと出来ないかも?
「大きな間違いが無ければ良い」と言う考えで使っている所で有れば、熟練者等は入らないと思いますが。
ダイカストの理想!から言えば、金型を作る前、ダイカストマシンに金型を取り付けてトライをする前に、とことん流動解析で湯流れ状態を確認して、(金型温度、ガスの抜け量までを見る)鋳造方案の検討を行う事が理想と考えます。
前回にも書きましたが、トライの回数を減らす。金型寸法の問題も有りますが、せめて2回のトライで金型合格を取りたい物です。
トライ専用のダイカストマシンが有る会社ならともかく、量産機で行う場合と、行程変更等の理由でトライから量産機を使う会社ですと、トライにより生産がSTOPする事が非常に辛い。そのしわ寄せが、休日出勤であり、残業と言う事になってくる。
流動解析でとことん湯流れ状態を確認するのと、つまらない金型寸法ミス(機械に取り付かない、製品形状が違っていた!などなど)を潰して行かないと、なかなかトライ回数が減りませんね!
トライの中には、次行程のミス、客先のわがままも含まれて来るので、現場は大変です。
まとめて言うと、どこまで机上でやれるか?です。
「1回のトライで合格」なんて事で有れば、最高なんですが。


2008年8月9日土曜日

ダイカストの理想?

ダイカストて難しい!辛い!と言う話しを聞きます。
ダイカスト現場の管理者に近くなるほどその言葉は大きくなります。
又、ダイカストておもしろい!鋳造て奥が深い!と言う人は、
技術系、もしくは現場の管理から遠い人、ダイカストで成功している会社経営者、管理者が
言いますが、80%は「難しい」「辛い」がほとんどです。
私も、現場で25年近くやって来ましたが、「おもしろい」と思った事が無い!
思っていた事は。「今度生まれ変わったら二度とこの職業には就くものか」
いつも思っていました。
多分、何年か前?飛鳥時代に「富本銭」が発掘された時、ランナー付きの
富本銭が新聞の写真にのっていたのを覚えています。
今、我々がやっているランナー方案と同じでした。
飛鳥時代に現場で鋳造していた人も、「生まれ変わったら二度とこの職業に就くものか」と
思っていたかも知れません。(良品率と稼働率を聞いて見たいですが)
ダイカストの理想?て、なんなの?私の思いを一言で言えば。
1.机上での計算で金型を製作し、その計算数値をマシンに入力すれば物が出来る
一言では有りませんでしたね!
実際、流動解析などが流行った時期が有りましたが、流動解析も一つの道具で有り、
事例の蓄積が出来るメリットが有ります。
私も、アドステファンのソフトを使い、「遊んだ」と言う言葉は正しく無いかも知れませんが、
かなりイメージに近い湯流れになります。私がやったのは、ラドルからスリーブに入れる所からの
流動解析をしました。
スリーブ内で溶湯が踊っている疑似画像から、数秒後に射出スタートしてどの様にキャビィテーに
充填されるか!までやって見ました。
アドステファンで条件を作った人へは感謝気持ちですが、「想像どうりの湯流れ」を実現出来た
事です。(あくまでも、私の主観が入っていますが)
たいした物だ!と感激していましたが、
実際問題!!
パソコンの操作は、やはり精通している人しかできないかも?
40代を過ぎて色々な単位の変換を覚えるのは大変かも?
50代過ぎたら多分理解出来ないかも?
若い世代に渡すべき事だと思います。40代、50代世代の融合が出来れば最高ですが。

アドステファンの使い方の現状は?
ダイカストメーカーが客先に金型方案?を出す時、{この金型方案で大丈夫ですよ」
「湯流れはこの様になりますよ」と、見せる為の道具として使います。
実際、客先はダイカストに詳しく無く、アドステファンの「条件がどか?」など聞いてこない
物ですから、簡単ですね!
何が簡単か、アドステファンの条件で、すべて「真空」でやれば湯回りが良い解析になります。
エアーベントと付けなくても。
客先も客先!ダイカストメーカーもメーカー!
ダイカストの理想!から脱線しましたが、次回!!!!

2008年8月4日月曜日

水溶性離型剤の塗布の仕方

水溶性離型剤の流量に関して、金型温度との関わりが出てきます。
元々、水溶性離型剤を湯水の如く吹きかけて、金型表面を外冷しているのですから
離型剤の出量が変わったりすると、金型温度が変化します。
金型の内冷を強化しないで、サイクルタイム短縮を行う場合、
離型剤の量を増やし対応して行くのですが、大型機になると、その量たるや
すさまじい量をぶちまけます。
小型機でも、その量は250ccを超える場合が有ります。
20年前でも、そのやり方は変わっておらず、今、金型のP.L面から、滝のように
下に流れ落ちる離型剤を見て、いろいろな事を思います。
特に、水鉄砲状態でぶちまけてるのが、分流子への外冷で、ダイカストの機械加工の
刃物に切削油をぶちかけてる姿が目に映ります。
「あの部分に離型剤などかけなくても出来るのに!」(サイクルアップしたとしても)
いつも思っています。
「水溶性離型剤て、タダなの?」「排水処理はタダなの?」
信頼性の有るダイカスト製品を作る事は?この様ななり方。
金型冷却がまともに出来ていないのと、水溶性離型剤を塗布する為の、圧送装置の精度と
離型剤希釈精度が悪いから!とりあえず、湯水の如くぶちかけておけ!と言ってる管理者が
想像される。20年経過した現在も、「とりあえずぶちかけておけ!」ですね。
この様なやり方をしている所は、「ダイカストの環境はこんな物だ」
その現場ばかりにいる作業者に、「改善案」などを出させても、この環境が当たり前だと
思っているので、「きれいにしたい」などと言う案が出てこない事が多い。
20年前、現在、作業服の汚れは変わらない。
しかし、25年前だと作業服はきれいでした。
ハンドスプレーを使い、吹き付ける部分に吹き付ける事をやっていたから。